Hibワクチン(インフルエンザ桿菌b型ワクチン)
インフルエンザ桿菌b型(Hib)は、小児の髄膜炎の原因菌の1つです。インフルエンザ桿菌性髄膜炎は、約5%が死亡し、約25%に後遺症が残る非常に予後が悪い感染症です。5歳未満の小児に毎年約600人ずつ発症しています。また、インフルエンザ桿菌b型(Hib)は、髄膜炎以外にも肺炎、喉頭蓋炎、敗血症などの重篤な感染症を起こします。近年、抗生物質に対する耐性化が進んできていますが、ワクチンは耐性菌に対しても有効です。
標準のHibワクチン接種スケジュール
標準の初回免疫
生後2~6ヶ月に1回目の接種を開始し、4週間以上の間隔(標準は4~8週間隔)で計3回接種します。
標準の追加免疫
初回免疫の3回目終了後より7ヶ月以上の間隔をあけて(標準は7ヶ月から13ヶ月の間)に1回追加免疫を接種します。
生 後 2 か ら 6 ヶ 月 | 初回免疫後 7ヶ月から13ヶ月の間 | ||||||||||||||||||
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ||||||||||||||||
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | ||||||||||||||||
4~8週間隔 | |||||||||||||||||||
初回免疫 | 追加免疫 |
標準のHibワクチン初回のスケジュールはDPT-IPVあるいは小児用肺炎球菌ワクチンの初回のスケジュールにほぼ重なるため、それらのいずれかと同時接種あるいはそれらの1週間前後に接種するなどのスケジュールが選択肢になります。
接種開始が遅れた場合のHibワクチン接種スケジュール
初回免疫の2回目または3回目が満1歳以降に遅れた場合
初回免疫の2回目または3回目が満1歳以降に遅れた場合、初回免疫の2回目または3回目の接種は行わず追加免疫を1回行います。 この場合、追加免疫は初回接種終了後4週間以上の間隔をあけて1回行います。
接種開始が生後7ヶ月から満1歳未満の場合
初回免疫として4週間以上の間隔でなるべく満1歳になるまでに計2回接種します。
初回免疫の2回目が満1歳以降になる場合、初回免疫の2回目は行わず追加免疫を1回行います。
この場合、追加免疫は初回接種終了後4週間以上の間隔をあけて1回行います。
接種開始が満1歳から満4歳までの場合
通常、接種を1回行います。
接種開始が満5歳以上になった場合
接種の対象外です。