インフルエンザの予防
インフルエンザの定期接種
◇ インフルエンザの定期接種は65歳以上の大阪市民が対象で、接種回数は1回です。書類等で確認できた生活保護受給者及び非課税世帯と、「自己負担費用免除届書」を提出していただいた公害認定患者は自己負担免除となります。
インフルエンザ予防の基本
寒くなり乾燥するとインフルエンザが流行します。暖かくすること、湿度を保つこと、換気をすること、手洗い・うがいがインフルエンザ予防の基本です。インフルエンザが流行している場合、不特定多数の人が集まる場所には、できれば行かないようにすること。家族全員で予防し家庭内にインフルエンザを持ち込まないことなどが重要です。
インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチン接種による発病を阻止する効果は充分ではありませんが、インフルエンザワクチンはインフルエンザの発病とインフルエンザによる重篤な合併症や死亡を減少し、健康被害を最小限にとどめることが期待できます。
接種時期
効果が発現するまでに約2週間程度かかり、効果は約5ヶ月程持続するとされています。あまり早く打ちすぎても効果が切れてしまい、遅すぎると流行に間に合わなくなる場合もあります。
2回接種の場合、10月末から11月初旬に1回目を、11月中頃~11月末までに2回目を接種することをお勧めします。1回接種の場合は11月中に接種を済まされるようにお勧めします。
効果
1歳以上6歳未満の乳児については、39℃以上の発熱を指標とした場合の有効率は20~30%であり、重症化や合併症を阻止する効果を考慮し、希望者にワクチン接種をすることは適当と考えています。
また、65歳以上の健常な高齢者については、接種により約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったと報告されています。
(注:インフルエンザワクチンの有効率の数字は20~90%程度の範囲で報告により異なります。)
副作用
2003年度のワクチンの推定出荷本数は,約1,463万本で,薬事法に基づく副作用等報告による副反応は,162症例,259件(注射部位の発赤・腫脹等26件,発熱18件,ショック・アナフィラキシー様症状14件,肝機能障害12件,発疹等12件,意識消失等9件,関節痛7件,筋痛7件,ギラン・バレー症候群7件,痙攣7件,喘息6件,下痢5件,他)
特にインフルエンザワクチン接種を推奨する対象者
- 65歳以上の方
- 集団施設(老人ホーム、老人健康施設、障害者入所施設など)に入所中の方
- 心臓病、肺疾患、腎臓病、気管支喘息、糖尿病の患者さん
- 免疫能が低下している方:HIV/AIDS感染者、ステロイドなどの免疫抑制作用を有する薬物を長期に投与されている方、抗癌剤や放射線療法など免疫力を低下させる治療を受けている方
- アスピリンの長期投与を受けている6ヶ月から18歳の方(Rye症候群発症の危険性があるため)
- 医療従事者およびその家族、保育園幼稚園学校関係者
内服薬タミフル(オセルタミビル)によるインフルエンザの予防
対象者
- 65歳以上の高齢者
- 慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
- 糖尿病などの代謝性疾患患者
- 腎機能障害患者
インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である上記の者を対象とします。インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり、タミフル(オセルタミビル)の予防使用はワクチン療法に置き換わるものではありません。
用法・用量
予防に用いる場合
インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に、通常、成人及び13歳以上の小児にはタミフル1カプセル(オセルタミビルとして1回75mg)を1日1回、7~10日間経口投与します。インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続します。
予防効果
国内二重盲検比較試験において、インフルエンザ感染症発症率はプラセボ群8.5%、本剤投与群1.3%でした。米国二重盲検比較試験において、インフルエンザ感染症発症率はプラセボ群4.8%、本剤投与群1.2%でした。
吸入薬リレンザ(ザナミビル)によるインフルエンザの予防
対象者
- 65歳以上の高齢者
- 慢性心疾患患者
- 糖尿病などの代謝性疾患患者
- 腎機能障害患者
インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である上記の者を対象とします。インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり、リレンザ(ザナミビル)の予防使用はワクチン療法に置き換わるものではありません。
用法・用量
予防に用いる場合
インフルエンザウイルス感染症患者に接触後1.5日以内に、通常、成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日1回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入します。インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続します。
予防効果
ザナミビル吸入(10mg/日)28日間投与による国内二重盲検群間比較試験では、インフルエンザ様症状の発現、及びインフルエンザウイルス感染が確認された患者の割合は、ザナミビル群では1.9%、プラセボ群では3.8%であった。海外のデータでは、家族内でインフルエンザ感染症患者が確認されてから、家族全員にザナミビル10mg1日1回又はプラセボ1日1回、10日間吸入のいずれかに割り付け、予防効果を比較したところ、インフルエンザ様症状の発現、及びインフルエンザウイルス感染が確認された患者が1例以上認められた家族の割合は、ザナミビル10mg/日群では4%、プラセボ群では19%であった。