麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)
予防接種にて、はしかや風しんの免疫を一度獲得しても、 はしかや風しんの流行が減り、はしかや風しんのウイルスに接触して免疫を強くする機会が少なくなっています。 そのため1回だけの接種では充分な免疫維持が困難になってきており、欧米と同様の2回接種が必要です。 また、充分な免疫を持たない人が多くなることが流行の原因一つです。 自分が感染源となり世界中に病気を広げてしまわないためにも予防接種を受けて下さい。 流行阻止・撲滅のため、できるだけ大勢の人に2回接種を受けていただく必要があり、
麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)は満1歳(1期)と小学校就学前の1年間(幼稚園年長)(2期)の2回の接種を受けます。 また、特に希望する場合は麻しん及び風しんの単抗原ワクチンも定期接種として取り扱うことができます。
- 1期 1歳児(生後12月から生後24月に至るまでの間にあるもの)
- 2期 幼稚園年長(5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前から当該始期に達する日の前日までの間にあるもの)
1歳 | 年長 | |||||||||||||||||
1期 | 2期 |
はしか(麻しん・麻疹)
世界的にはワクチンの使用により、根絶に向かいつつある病気であるにもかかわらず、日本は、はしか (麻しん)の流行地域です。日本は、はしか(麻しん)の輸出国と悪口を言われることもあります。 例えば、アメリカ合衆国では1年間のはしかの患者数は約80人程度(2000年)ですが、同時期の 日本では約4,500人もの数にのぼります。はしか(麻しん)の対策強化が望まれていたところですが、 満一歳と小学校就学前の2回接種となり、その効果に期待します。
典型的なはしかの症状
- 発熱
- 全身の発疹
- 咳,鼻水,眼の充血などの粘膜症状
潜伏期間は約10日間です。脳炎を合併することもあります。はしかに罹患すると、免疫力が低下するため肺炎や中耳炎などを合併することもあります。
風しん(風疹)
風しんは、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性感染症です。一般的には予後は良好で、自然治癒します。まれに、血小板減少性紫斑病や脳炎などの合併症をみることもあります。発疹が消失するまで出席停止となります。発疹が出る7日前から発疹出現後5日間ほど感染源となるので、2次感染予防は隔離では困難で、ワクチン接種による予防が重要です。
先天性風しん症候群
風しんによる一番重要なことは、妊娠初期の妊婦が風しんに感染すると、風しんウイルスが胎児に感染し、赤ちゃんに難聴や白内障、先天性心疾患などの重大な障害が起きることがあることです。
① 風しんの流行阻止
ワクチン接種が適当な人は男女ともワクチン接種を受けて風疹を流行させないようにし、妊娠中の女性が風しんに暴露されないようにすることが大切です。
② 妊娠時の確実な免疫
1回の予防接種では妊娠時まで免疫が充分持続しない場合もあります。そのため平成18年4月以降より麻しん風しん混合ワクチンを満1歳と小学校就学前の2回接種することになりました。今回改正の対象者以前の方は1回の接種であり、それでは妊娠時には免疫が上充分になっている方がいます。 妊娠中に風しんワクチンを接種したり、風しんワクチン接種直後に妊娠するとワクチンウイルスにより胎児に影響がでる可能性があります。風しんワクチンの接種は確実に妊娠していないときに行い、接種後2~3ヶ月間避妊して下さい。妊娠を予定されている方で、充分な免疫が有るか無いか分からない方は、妊娠の2~3ヶ月前までに風しんワクチンの予防接種を受けておくと安心です。病気にかかっていない状態では自費になりますが血液検査で風しんに対する抗体の有無を調べることもできます。